〔４〕．ブーストアップ【応用編】

１．目的

オリフィスによる最大過給圧の設定変更は、オリフィスを加工して作ることにより、さらに細かい調整が可能である。純正部品のオリフィスを加工したり、あるいは適当な材料を加工するなど、比較的簡単にオリフィスを作ることができる。オリフィスの設定変更によるブーストアップの可能性を考察する。

２．純正部品のオリフィス

ＢＮＲ３２の整備資料にはオリフィスについての情報は記載されていない。オリフィスは単体での販売はないが、純正部品にオリフィスの入ったゴムホース（バキュームホース）が３種類存在する。

３．メタルタービン専用のオリフィス

コレクタータンクのゴムホースは、標準車とメタルタービン車で部品番号が異なる。ゴムホースを部品として購入し、相違点を調べた。

上が標準車用で下がメタルタービン車用のゴムホースだ。メタルタービン車用はマーキングが緑色だ。

メタルタービン車用のオリフィスは穴径が標準車の物より若干小さい。ソレノイドバルブ側のオリフィスと同じ物のようだ。

４．オリフィスを作る

純正部品のオリフィスを加工したり、複数のオリフィスを組み合わせることで、最大過給圧を細かく調整することができる。また、材料を加工してオリフィスを作ることも可能だ。

適当な材料を加工してオリフィスを作った例である。穴にネジが切ってあり、ボルトでオリフィスの出し入れが簡単にできるように工夫してある。このように、穴径に対して長さが十分に長いものはチョークと呼び区別する場合もあるが、目的は同じである。

５．安全性

最大過給圧をオリフィスの調整で変更する方法はソレノイドバルブを生かしたままできるため、異常が発生した時のフェイルセ−フ機能は有効であり、比較的に安全であると思う。軽いパワーアップを望む程度の場合には良い方法だろう。しかし、状況によっては燃料の噴射量や点火タイミングの調整が必要になることも知っておく必要がある。また、出力の向上によりエンジンの各部には大きな力と高い熱が加わるようになり、駆動系の負荷も増大するため、耐久性の低下を覚悟する必要がある。

２０００/１２/３１

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